アオリイカの釣り方と生態

アオリイカ(学名:Sepioteuthis lessoniana)は、日本近海を代表する大型イカで、「イカの王様」とも呼ばれるほど味や釣り味に優れたターゲットです。胴長は40〜50cm、重さは1kg前後、大きいものでは6kgを超えることもあります。胴体の周囲には半円形の大きなヒレがあり、このヒレを「泥障(あおり)」に見立てて名付けられました。

アオリイカの特徴

主な特徴

• 体色は半透明で、状況によって色を変化させる
• 大きな目を持ち、視力が非常に良い
• 胴体の周囲に幅広いヒレ(エンペラ)がある
• 日本全国の沿岸に分布し、温暖な海域を好む
• 寿命は約1年で、春に産卵しその後死ぬ「一生産卵型」
• 夜行性で、夕方から夜に活発に捕食活動を行う

生息場所

• 港湾、磯場、サーフ(砂浜)、藻場、岩礁帯など
• 水深数メートルから30m以上の深場まで幅広く生息
• 春は産卵のため沿岸の浅場に接岸、秋は新子(若い個体)が多く釣れる

旬と味

• 旬は春(産卵前の大型)と秋(新子の数釣り)
• 肉厚で柔らかく、甘みと旨味が強い
• 刺身、寿司、天ぷら、炒め物、煮物など幅広く調理可能

アオリイカ釣りの基礎知識

釣り方法

アオリイカ釣りにはいくつかの方法がありますが、初心者におすすめなのは「エギング」と「ウキ釣り」です。ここでは、初心者向けに「エギング」と「ウキ釣り」を中心に解説します。

エギングの仕掛けと道具

エギングとは?
エギと呼ばれるエビ型のルアー(疑似餌)を使い、ロッドのアクションでイカを誘い、抱かせて釣る方法です。手軽で道具もシンプル、初心者でも始めやすいのが特徴です。
基本タックル
• ロッド:エギング専用ロッド(8〜8.6フィート前後)
• リール:スピニングリール(2000〜3000番台)
• ライン:PEライン0.6〜0.8号+リーダー(フロロカーボン2号前後)
• エギ:3〜3.5号が基準(秋は2.5〜3号、春は3.5〜4号が主流)
• その他:スナップ、スナップ付きサルカン、ランディングネット(タモ)
エギの選び方
• サイズ:秋は小型(2.5〜3号)、春は大型(3.5〜4号)
• カラー:澄み潮はナチュラル系、濁り潮や曇天はアピール系(ピンク、オレンジ等)
• 重さ:標準は20g前後、深場や潮が速い時は重めを選ぶ
エギングの釣り方・アクション
基本動作
1. エギをキャストし、着底(底取り)を確認
2. ロッドをシャクってエギを跳ね上げる(シャクリ)
3. ロッド操作を止めてエギを沈める(フォール)
4. アタリがなければ再びシャクる→フォールを繰り返す
アクションの種類
• シャクリ:ロッドを大きく振り上げてエギを跳ねさせる
• ジャーク:小刻みにロッドを動かし、横方向にエギを動かす
• フォール:エギを自然に沈め、イカに抱かせる最重要タイミング
アタリの取り方
• フォール中や着底直後にラインがフッと緩む、急に止まる、横に動くなどの変化があればアワセを入れる
• アワセはロッドを素早く立てるように行う
ポイント選び
• 港の堤防、磯場、サーフ、藻場、岩礁帯の周辺
• 潮通しが良く、変化のある場所(テトラの際、船道、沈み根周りなど)
釣れる時間帯
• 夕方〜夜、早朝がベスト
• 日中でも釣れるが、夜行性のため薄暗い時間帯が狙い目

ウキ釣り(泳がせ釣り)の仕掛けと釣り方

ウキ釣りの特徴
活きアジやイワシなどをエサにして、ウキでアタリを取る釣り方。取り込み率が高く、初心者にもおすすめです。
基本タックル
• 竿:3〜5号、5m前後
• リール:中型スピニングリール
• 道糸:4〜5号
• ウキ仕掛け:ウキ止め糸、シモリ玉、電気ウキ、オモリ、サルカン、イカ仕掛け(カンナ付き)
エサの付け方
• 鼻掛け:エサが自由に泳ぎアピール力大(身切れしやすい)
• 背掛け:しっかり掛かり弱りやすいが身切れしにくい
狙う棚(タナ)
• 夜間や朝夕は浅め(1.5〜2.5ヒロ)
• 日中は底から1〜2m上を狙う
釣り方の流れ
1. エサを付けて優しくキャスト
2. アタリ(ウキが沈む、横に動く)を待つ
3. 竿先でイカが乗っているか確認し、アワセを入れる
4. ドラグを調整しながらゆっくり寄せ、タモですくい取り込む

アオリイカの捌き方

釣ったアオリイカは新鮮なうちに下処理・捌きを行うことで、最高の味を楽しめます。墨袋があるため、最初は慎重に作業しましょう。
基本の捌き手順
1. 甲を上にしてまな板に置き、胴の中心に包丁を入れる(甲を切らないように)
2. 身と甲の間に指を入れて甲を外す
3. 胴とゲソ(足)・内臓を分ける(墨袋を潰さないよう注意)
4. 身と耳(エンペラ)の皮を剥ぐ(刺身の場合は薄皮も丁寧に)
5. ゲソの掃除(目玉・口・硬い軟骨を除去、墨袋も外す)
6. 必要に応じて身をカットし、料理に合わせて切り方を工夫
刺身の場合のポイント
• 繊維を断ち切るように縦方向に切ると、甘みが増し食感が良くなる
• 皮や薄皮は丁寧に剥ぐと、もっちりとした食感に
保存方法
• 下処理後はラップやジップロックで密封し、冷蔵庫で寝かせると旨味が増す(1kg以下は1〜2日、1kg以上は3日ほど)

まとめ:アオリイカ釣りの魅力とアドバイス

アオリイカは日本全国で狙える人気ターゲットで、釣り味・食味ともに最高クラスです。
エギングはシンプルな道具で始めやすく、ウキ釣りは初心者でも釣果が出やすい釣法。釣った後は自分で捌いて、新鮮な刺身や多彩な料理で味わうのも大きな楽しみです。

初心者へのアドバイス
• まずは基本の道具と仕掛けを揃え、釣り場で実践しながら慣れましょう
• エギの操作やアワセのタイミングは、実際に釣りながら体感するのが上達への近道
• 捌きも最初は難しく感じますが、慣れれば簡単。墨袋に注意して丁寧に作業しましょう
アオリイカ釣りを通じて、海の豊かさと釣りの奥深さを存分に味わってください!
※本記事は、アオリイカの特徴・生態、エギング・ウキ釣りの仕掛けと釣り方、捌き方まで、初心者向けにわかりやすく解説しました。さらに詳しい情報や最新の釣果情報は、各地の釣具店や専門サイトも参考にしてください。

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