2025年、日本の医療現場では「医療崩壊」が現実味を帯びて急速に進行しています。その主要な要因と現状をまとめます。
超高齢化と医療需要の急増
・団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、国民の5人に1人が後期高齢者という超高齢社会に突入しました。
• 高齢者の増加により、慢性疾患や認知症などの患者数が急増し、医療・介護の需要が爆発的に伸びています
医療従事者・病床の深刻な不足
・医師・看護師・介護職員の人手不足が加速。2025年には看護師が最大27万人不足する可能性が指摘されており、特に地方や過疎地域での医療崩壊が深刻化しています。
• 病床の削減政策(2025年までに約11万床削減)が進む一方、急性期・高度急性期病床の減少が追いつかず、必要な回復期病床も大幅に不足。
• 病院の統廃合や経営悪化が進み、地域医療の崩壊が現実化。病院の6割が赤字、半数が「破綻懸念先」とされる状況です
医療サービスの質の低下と格差拡大
・医療従事者の過重労働や人手不足により、医療サービスの質が低下し、医療事故や対応遅延のリスクが増大。
• 都市部と地方で医療資源の偏在が拡大し、地方の医療格差が急速に広がっています
在宅医療・介護の逼迫と社会的影響
・在宅医療や訪問看護の需要が急増する一方、訪問看護師や介護職員の不足で供給体制が追いつかず、家族の介護負担や介護離職も増加。
• 1人暮らしや老老介護世帯の増加で、医療・介護・行政の連携が不可欠となり、地域全体での総力戦が求められています
医療費・社会保障制度の危機
医療費・介護費の増大により社会保障制度の持続性が危機的状況。現役世代の負担増や自己負担額の引き上げも現実味を帯びています
急速に起こっている主な現象まとめ
・高齢者の急増による医療・介護需要の爆発的増加
• 医師・看護師・介護職員の深刻な人手不足
• 病床削減・病院経営悪化による地域医療の崩壊
• 医療サービスの質低下と地方の医療格差拡大
• 在宅医療・介護の供給体制逼迫と家族負担増
• 医療費・社会保障費の急増と制度維持の危機
2025年は「医療崩壊」の分水嶺とされており、従来の「治す医療」から「暮らしを支える医療」への転換、地域包括ケア体制の構築、医療DX・効率化、そして総力戦での対策が急務となっています。