外来診療人数何人みれば良いの?

午前中の外来診療における人件費の採算ライン(損益分岐点)について試算しました。

結論から申し上げますと、**スタッフの人件費を回収するための最低ラインは「8人」、病院としての利益を出すための現実的な目標ラインは「15人以上」**となります。

以下に計算の根拠と、経営的な視点からのシミュレーションをまとめました。

1. 人件費の算出(午前中 3.5時間)

まず、外来診療に関わるスタッフの1時間あたりの人件費を計算します。

• 医師(1名):10,000円

• 看護師(2名):1,500円 × 2 = 3,000円

• 事務員(2名):1,300円 × 2 = 2,600円

• 臨床検査技師(1名):1,500円

• 放射線技師(1名):2,000円

1時間あたりの人件費合計:19,100円

次に、午前中の診療時間(3時間30分 = 3.5時間)の総人件費を算出します。

• 19,100円 × 3.5時間 = 66,850円

2. 人件費ベースの損益分岐点(最低ライン)

この人件費(66,850円)を、患者1人あたりの単価(9,000円)で割ります。

• 66,850円 ÷ 9,000円 = 7.427…人

つまり、人件費の赤字を出さないためには、午前中で最低8人の患者を診る必要があります。

3. 実践的な目標患者数(利益確保ライン)

実際の病院経営では、人件費以外にも以下のコストがかかります。

• 材料費(薬剤、検査試薬、衛生材料など)

• 経費(水道光熱費、医療機器の保守・減価償却費、システム利用料など)

• 間接部門コスト(直接外来に立たないバックオフィス部門の維持費)

一般的に、医療機関の適正な「人件費率(医業収益に対する人件費の割合)」は50%前後が目安とされています。仮に人件費率を50%として目標収益を逆算すると、以下のようになります。

• 目標とする医業収益: 66,850円(人件費) ÷ 50% = 133,700円

• 目標患者数: 133,700円 ÷ 9,000円 = 14.85…人

したがって、経費を賄い病院としての利益をしっかりと確保するためには、午前中で15人以上の患者を目標とするのが現実的な指標となります。

診療オペレーションの確認

目標を15人と設定した場合、3.5時間(210分)で15人を診ることになります。

単純計算で患者1人あたりにかけられる時間は14分(診察・検査・事務手続きのトータルサイクル)です。このペースを維持できるかどうかが、人員配置の適正化やペーパーレス化等の業務効率化を図る上での一つの基準となります。

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